【夢の海外進出って実際どうなのか?】 夢か、博打か、目指すべき未来なのか。vol.30
Salons Blog
こんにちは。
THE SALONS Japan代表の清水です。
今回は、よく聞かれるけれど、意外と詳しくは話してこなかった
フィリピン・マニラでの海外出店について、なぜサロンを出したのか、そして現在どうなっているのか
を正直に書こうと思います。少し長いですが最後まで読んで頂けると嬉しいです。🙇
ちなみに今回お話しするのは、僕がフィリピン・マニラで出店した美容室 「Hide2A(ヒデツーエー)」 のことです。
海外出店というと、
「順調そう」
「夢がある」
「成功してるんでしょ?」
そう見られがちですが、実際はそんなに綺麗な話ではありません。
むしろ、かなり泥臭い判断と試行錯誤の連続でした。
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なぜフィリピン・マニラだったのか?
最初に言っておくと、
「海外に出たい」
という憧れが先にあったわけではありません。
きっかけはもっと現実的でした。
・日本の美容業界の成熟
・人口減少
・価格競争の激化
・人材確保の難しさ
このあたりを長年見てきて、
「日本国内だけで完結する美容室ビジネスには限界が来る」
そう感じていたのが正直なところです。
そんな中で縁があったのがフィリピン、マニラ。
フィリピンは
・人口が若い
・経済成長が続いている
・美容・ファッションへの関心が高い
・日本の技術やサービスに対する信頼が強い
特にマニラは、一部エリアでは日本よりもはるかに所得層が高く、
「安い国」
というイメージとは真逆の世界が広がっています。
ここなら、
“日本の美容をそのまま輸出する”のではなく、現地に合わせて再構築する価値がある
そう判断しました。
そしてもうひとつ大きかったのが、当時の総理大臣だった安倍首相が推進していたクールジャパン関連制度の審査を通過し、海外進出に関する助成金を活用できたことです。
正直、これは本当に大変でした。
事業計画書の作成から面談、審査、資料提出まで、普段のサロンワークや経営をしながら進めるにはかなりの労力が必要でした。
ただ、そのハードルを乗り越えられたことで、海外出店への現実味が一気に増したのも事実です。
さらに大きかったのが、日本で育ち、日本の美容技術を学んだフィリピン人美容師の後輩がいたこと。
言葉だけではなく、日本の美容文化や接客、技術レベルを理解している人材が現地にいたことは非常に大きな安心材料でした。
海外出店はタイミングと縁が重なることが重要だと思っています。
今振り返ると、
フィリピンという国との縁、
クールジャパン制度との縁、
そして信頼できる人材との縁。
その全てが重なったからこそ、この海外出店は実現できたのだと思います。
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海外出店サロンを出店するまでのリアル
海外出店は、正直に言って甘く見ていました。
・法律
・契約
・ビザ
・現地パートナー
・文化の違い
・お金の流れ
日本で当たり前に出来ていたことが、ほぼ全部通用しない。
特に大きかったのは、
「信頼の前提が違う」
という点です。
日本では
「言わなくても分かる」
「常識で判断する」
が通用しますが、海外では一切通用しません。
契約書に書いてないことは、
“やらなくていい”
むしろ
“やらない方が正しい”
という感覚。
ここで何度も痛い目を見ました。
それでも出店を決めた理由はひとつです。
やらなければ、一生分からない。
撤退も含めて“経験値”だと割り切った。
これは経営者として、かなり大きな決断でした。
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マニラでの反応と、想像とのズレ
オープン後の反応は、正直に言うと半分当たり、半分外れ。
技術面に関しては、日本のクオリティはやはり評価されました。
・カット
・カラー
・接客
・空間づくり
このあたりは、
「Japanese quality」
としてしっかり伝わったと思います。
一方で、
価格設定・回転率・スタッフ教育・マネジメント
ここは日本の感覚をそのまま持ち込むと、ほぼ確実にズレます。
特にスタッフマネジメントは、日本の10倍難しい。
価値観も、働く理由も、生活背景も全然違う。
「やる気がない」のではなく、
前提が違う
という感覚です。
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現在の状況と、正直な評価
現在の海外支店は、
「爆発的成功」でもなければ
「失敗して撤退寸前」でもありません。
かなり現実的な表現をすると、
“育成と検証フェーズが続いている状態”
です。
海外出店は、出した瞬間に利益が出るものではありません。
むしろ
・人材
・オペレーション
・ブランドの伝え方
・日本側の関与度
これらを何度も修正しながら、少しずつ形にしていくものです。
ここで焦って
「数字だけを追う」
「日本の成功体験を押し付ける」
これをやると、ほぼ確実に潰れます。
ただ、ここまでやってきて強く思うことがあります。
海外出店で一番成功確率が高いのは、結局のところ代表者本人が現地で働くことです。
もしくは、
「この国で骨を埋める覚悟がある」
そんなトップや店長が現地にいること。
海外出店は、お金を出せば成功するビジネスではありません。
現地で起きる問題は、日本にいるだけでは見えないことばかりです。
スタッフとの関係、
お客様との距離感、
文化の違い、
契約の解釈、
採用や教育。
その場で判断し、その場で修正できる人がいるかどうかで結果は大きく変わります。
そしてもうひとつ大切なのが、
その国や現地の人たちに対するリスペクトです。
日本のやり方が正しいわけでも、日本のサービスが上なわけでもありません。
その国にはその国の文化があり、価値観があり、働き方があります。
それを理解せずに
「日本ではこうだから」
を押し付け始めると、だいたいうまくいきません。
むしろ大切なのは、現地から学ぶ姿勢を持つこと。
そして現地で働く日本人スタッフ自身も、ただ海外にいるだけではなく、
「なぜここで働くのか」
という目的を持っていることが重要です。
語学を学びたいのか。
海外で美容師キャリアを作りたいのか。
将来、海外で独立したいのか。
目的がある人と、なんとなく海外に来た人では、成長スピードも結果も大きく変わります。
海外出店は物件や資金の問題よりも、実は“人”の問題が一番大きい。
だからこそ、
現地に覚悟を持った責任者がいて、
現地への敬意があり、
目的を持ったスタッフがいる。
これが揃って初めて、海外出店は本当のスタートラインに立てるのだと思っています。
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海外出店をして分かった一番大きなこと
一番大きな学びはこれです。
海外出店は、
“拡大”ではなく、“自分たちの弱点を可視化する行為”
だということ。
日本では通用していたことが、海外では一切通用しない。
だからこそ、
・日本の本当に強い部分
・驕りや勘違いしていた部分
・属人化していた部分
全部が炙り出されます。
この海外支店への挑戦は、結果として
THE SALONSという事業を考える上でも、自分自身の経営スタンスを見直す大きな材料
になりました。
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最後に
海外出店は、夢のある話でもあり、同時にかなり厳しい現実でもあります。
でも僕は、
「やらなければ分からなかった後悔」
より
「やって分かった反省」
の方が、経営者としては価値があると思っています。
この海外出店への挑戦は、まだ“途中経過”です。
これからどうなるかも含めて、
良いことも悪いことも、このブログでは隠さず書いていこうと思います。
海外進出に興味がある美容師や経営者にとって、このリアルな記録が何か一つでも判断材料になれば嬉しいです。
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The Salons Japan株式会社
代表/現役美容師/宅地建物取引士
清水 秀仁