若くして独立する美容師に、あえて伝えたい「チームともだちはNG」の話 vol.20
Salons Blog
こんにちは。THE SALONS Japan代表の清水です。
ここ数年で、美容師の働き方は大きく変わりました。
「組織に縛られず、自分のスタイルで働きたい」
この価値観は、時代の流れとして自然なものだと思いますし、選択肢が増えたこと自体は良い事です。
実際、早い段階で自立することが向いている美容師もいます。
独立が早いこと自体を否定するつもりは一切ありません。むしろ賛成です!
ただ、現場を長く見てきて、どうしても気になることがあります。
それは、
組織の中で揉まれる経験や、人との摩擦の中で成長する過程を経ないまま、自立してしまうケースが増えていることです。
そしてもう一つ。
独立後のチーム運営でよく起きる落とし穴が、いわゆる「チームともだち化」です。
仲が良いこと自体は悪くない。
ただ、チームを“友達の集まり”として回し始めた瞬間に、組織は弱くなります。
(ここが今回、一番伝えたい話です。)
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「教育型サロン」は、技術だけを学ぶ場所ではない
最近は
「早く独立した方がいい」
「雇用より自由な方がいい」
という空気が強くなっています。
それ自体は時代に合っていますし、合理的な側面もあります。
しかし一つだけ、明確に分けて考えなければならないことがあります。
それは、
「個人で稼ぐ力」と「組織を作る力」は全く別の能力だということです。
いわゆる教育型サロンでの経験は、
単に技術を磨くためだけの時間ではありません。
・上司との関係性の築き方
・同僚との温度差の調整
・納得できないルールの意味を理解する視点
・チームの中で自分の役割を考える力
これらは、一見すると「やな事」に見えるかもしれません。
しかし将来、自分が組織を持つ立場になった時、この経験の有無が大きな差になります。
特に「チームともだち」にしないためには、
“仲の良さ”とは別に、役割・責任・ルールを言語化して運用する感覚が必要です。
ここは、組織の中で揉まれた人ほど身についています。
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「嫌なこと」を排除しすぎると、組織の骨組みは弱くなる
近年の風潮として、
ストレスを避ける働き方、
心地よさを優先する環境選びが主流になっています。
個人として働くのであれば、それは合理的な選択です。
しかし、その感覚のまま組織を作ろうとすると、問題が生じます。
嫌なことを排除し、良い部分だけを取り入れる。
この考え方だけでは、組織の屋台骨は強くなりません。
なぜなら、組織の本質は
人と人との調整と責任の積み重ねだからです。
摩擦を経験していないトップは、
摩擦が起きた時の対処ができません。
そして組織は、静かに崩れていきます。
ここで「チームともだち化」が起きると、さらに崩れやすい。
本来なら向き合うべき調整や責任の話を、
「空気」「仲良し」「まあいいか」で流し始めるからです。
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「嫌な経験」を必要な経験に転換できるか
本当に強いトップは、
過去の嫌な経験をただのストレスで終わらせません。
「なぜ必要だったのか」
「どう伝えれば納得してもらえるのか」
「組織として機能させるにはどうするべきか」
このように、経験を“必要なもの”に転換し、
誠実に言葉にして伝える力を持っています。
そしてこの力は、
本やAIや理論だけでは身につきません。
現場での経験値と、一定の経験期間があって初めて作られるものです。
チームともだち化を防ぐのも、結局ここです。
「言いにくいこと」を言えるか。
「嫌われないため」ではなく、組織を守るために誠実に伝えられるか。
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覚悟のないトップに、人はついてこない
厳しい言い方になりますが、
近年、短期間で分裂するチームや、頓挫するサロンが増えているように感じます。
これは能力の問題ではなく、
覚悟と経験値の不足によるものが大きいと思っています。
「一生この仕事で食っていく」
この覚悟がある人の言葉には、重みがあります。
一方で、結果を出す前からセカンドキャリアを“逃げ道”として考えている状態では、
その本気度は必ず周囲に伝わります。
スタッフや仲間は、言葉よりも姿勢を見ています。
覚悟の曖昧なトップの元に、強い組織は生まれません。
チームともだち化が起きる組織は、トップの覚悟が弱く見えやすい。
「仲は良いけど、決められない」「責任が曖昧」になり、
いざという時に信頼が残らないからです。
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美容師はどこまでいっても「対・人」の職業
働き方がどれだけ変わっても、
この職業の本質は変わりません。
・お客様
・フリーランス仲間
・同僚
・メーカー
・ディーラー
・これから入ってくるスタッフ
すべては人との信頼関係で成り立っています。
フリーランスであっても、業務委託であっても、雇用であっても、
対人関係から完全に切り離されることはありません。
だからこそ、
チーム運営を「友達の延長」で考えると、どこかで必ず歪みます。
仕事は“対人”ですが、同時に“責任”です。
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「THE SALONS」という立ち位置の意味
だからこそ、経験値が不十分なまま、
いきなり路面店を出店し、大きな固定費と責任を背負う独立は、
リスクが非常に高い選択でもあります。
そこで一つの選択肢としてあるのが、
THE SALONSという立ち位置です。
単なる貸し店舗ではなく、
経営や運営の重たい部分はサロンズ側が担いながら、
美容師自身は「一人の経営者として判断し、責任を持つ」という
実践的な経験値を積むことができるシステムです。
いきなりすべてを背負う独立ではなく、
リスクを過度に負わずに、
経営感覚・対人調整・責任の重さを段階的に経験できる。
これは、経験値をショートカットするのではなく、
経験値を現実的なリスク管理の中で積んでいく設計だと考えています。
そしてもう一点。
チームを作る時に「チームともだち」にならないための、
最低限のルール・運用・距離感を持った状態でスタートできるのも、
結果的にリスク回避になります。
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最後に
自由に働きやすくなった今の時代は、
美容師にとって確実に恵まれています。
しかしその一方で、
経験値の不足、対人耐性の低下、組織設計の未熟さという
新しい課題も生まれています。
だからこそ今、自分自身に問いかけてほしいのです。
「どの環境で、どの順番で、どんな経験値を積むのか」
「自分はこの仕事で本気で生きていく覚悟があるのか」
ただ自由を選ぶのではなく、
一生この職業で勝負する前提で環境を選ぶ。
その覚悟と設計ができている美容師ほど、
長く続き、強い組織を作り、結果を出し続けているのは事実です。
派手さではなく、
本気の覚悟と積み重ね。
そこに、長く生き残れる美容師の本質があると感じています。
The Salons Japan株式会社
代表/現役美容師/宅地建物取引士
清水 秀仁
























