シェアサロンの仕組みを理解して、後悔しない独立を選ぶために
Salons Blog
閉店後、セット面を拭きながらふと思うことはありませんか。
「いつか、自分の店を持ちたいな」
お客様に「いつ独立するんですか?」と聞かれるたび、嬉しさと同時に不安が膨らみます。本当に自分にできるのか。路面店を出すお金なんてないし、かといってこのまま雇われのままでいいのか、と。
最近よく耳にする「シェアサロン」という選択肢。初期費用を抑えて独立できると聞いて、少し心が動いたけれど、実際の仕組みがよく分からない。歩合ってどういうこと?本当に自分の店と言えるのか?
そんなモヤモヤを抱えたまま、毎日の仕事に追われている方も多いのではないでしょうか。
今日は、シェアサロンの仕組みを丁寧に整理しながら、あなたにとって本当に納得できる独立の形を一緒に考えていければと思います。
シェアサロンの仕組み、基本から整理してみましょう
シェアサロンと聞いて、まずイメージするのは「面貸し」や「席貸し」と呼ばれる形かもしれません。
これは、既存のサロンのセット面を時間単位や月単位で借りて、自分のお客様を施術するスタイルですね。料金は「固定料金+売上の30〜40%」という歩合制が一般的です。
現場で感じる、小さな違和感
実際に面貸しで働いている美容師さんたちの声を聞くと、こんな悩みが出てきます。
隣のセット面との距離が近くて、カウンセリング中の会話が隣に聞こえてしまう。お客様が少し気まずそうな表情をされたとき、申し訳ない気持ちになる。
薬剤やタオルは共用だから、使いたいカラー剤が切れていたり、好きなブランドのトリートメントを勧められなかったり。
それから、お客様に「ここが○○さんのお店なんですか?」と聞かれたとき、どう答えればいいのか迷う。「いえ、席を借りているだけで...」と言うと、なんだか自信がなさそうに聞こえて。
技術には自信があるのに、環境のせいで100%の力を発揮できない。そのもどかしさが、日々積み重なっていくんですよね。
歩合という仕組みの、本当のコスト
もう一つ、歩合制について現実的な計算をしてみましょう。
月60万円の売上で歩合が35%なら、21万円がサロン側に渡ります。年間で252万円。
「この金額があれば、路面店の家賃が払えるんじゃ...」
そう思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。路面店を出すとなると、家賃だけでは済まないんです。
光熱費(美容室は水道・電気代がかなり高い)、ホットペッパーなどの広告費(月10〜30万円)、内装工事の借入返済、薬剤の大量仕入れ...これらを全部足すと、月の固定費は50〜80万円にも膨れ上がります。
つまり、月60万円の売上では路面店は成り立たない。でも、歩合制のシェアサロンでも手元に残るのは39万円。そこから国民年金や国民健康保険を払うと、さらに減る。
この「どちらも厳しい」という板挟みが、独立を躊躇させる一番の原因かもしれません。
THE SALONSが変えた、シェアサロンの仕組み
ここで、少し違った仕組みのシェアサロンをご紹介させてください。
「THE SALONS(ザ サロンズ)」は、一般的な面貸しとは違った形の独立支援サービスです。正確には「ビューティーモール」と呼ばれる、美容系サロンが集まった施設なのですが、その仕組みには大きな特徴があります。
「個室」という安心感
THE SALONSの最大の特徴は、完全個室であることです。
パーテーションで区切られた「なんちゃって個室」ではなく、壁で完全に仕切られた独立した空間。セット面は2席以上が標準で、バックシャンプー台も完備されています。
つまり、隣の席の会話を気にする必要がない。お客様とのカウンセリングも、誰にも邪魔されずにじっくりできる。
施術中に流す音楽も、壁に飾る絵も、使う薬剤も、すべて自分で選べる。本当の意味で「自分の空間」を持てるんです。
経営インフラが、ちゃんと揃っている
よくあるシェアサロンとの決定的な違いがもう一つあります。それは、経営の実務がちゃんと回る環境が整っていることです。
個室内には薬剤やタオルを保管できる収納スペースがしっかり確保されています。自分専用の場所だから、在庫管理もやりやすい。
それから、ホットペッパービューティーへの掲載も、個別のサロン名で出せるんです。一般的なシェアサロンだと「○○サロン内のスタイリスト△△」という表記になることが多いのですが、THE SALONSなら「あなたのサロン名」で堂々と掲載できます。
これ、集客においては大きな違いですよね。
料金の仕組みは定額制
THE SALONSの料金体系は月額定額制です。
歩合はありません。売上がいくら上がろうと、毎月支払う金額は変わらない。月額賃料は立地によって異なりますが、おおむね25〜40万円前後(プランによる)。
この金額だけ見ると「高い」と感じるかもしれません。でも、冷静に計算してみてください。
月60万円の売上で歩合35%のシェアサロンなら、21万円が引かれて手残り39万円。 THE SALONSで月額30万円なら、手残り30万円。
この時点では大差ないように見えます。でも、売上が80万円、100万円と伸びたとき、歩合制では28万円、35万円と引かれる金額が膨らんでいくのに対し、THE SALONSでは引かれる金額は変わらない。
つまり、実力がある美容師ほど、定額制の方が圧倒的に得をするんです。
しかも、路面店のように広告費や内装借入の返済に追われることもない。光熱費やタオルも月額に含まれているから、コストが読みやすい。
保健所登録が持つ、本当の意味
THE SALONSでは、保健所への開設届が出せるんです。
これは単なる「誇り」の話ではありません。法律上の立ち位置が、まったく変わるということです。
一般的なシェアサロンは「一つの美容所」として登録されていて、そこで働く美容師は単なる「従事者」という扱い。でもTHE SALONSでは、一区画ごとに一つの美容所として登録するため、あなた自身が「開設者」になれます。
つまり、管理美容師を置いて、実地検査を受けて、自分の名義でサロンを運営できる。
この違いは、将来大きく効いてきます。
たとえば、数年後に路面店へ移行しようと思ったとき。あるいは、多店舗展開やM&Aを視野に入れたとき。「保健所登録済みのサロンを開設者として運営していた実績」があることは、融資審査や事業評価において圧倒的なアドバンテージになります。
履歴書に書ける「職歴」が、雇われスタイリストとは全く違うものになるんです。
未来のイメージを、少し描いてみませんか
想像してみてください。
朝、自分の店の鍵を開けて、照明をつける。好きな音楽を流して、前日に仕込んでおいたディスプレイを確認する。
1人目のお客様が到着する前の、あの静かな時間。誰にも邪魔されず、今日の施術の段取りを頭の中で整理する。
カウンセリングでは、お客様の悩みをじっくり聞ける。隣の席の会話が聞こえてこないから、お客様も本音で話してくれる。「実は前回のカラー、あまり気に入らなくて...」そんな言葉も、安心して言ってもらえる空間。
使いたいカラー剤も、トリートメントも、全部自分で選んだもの。個室の収納にしっかり在庫を置いてあるから、「すみません、在庫切れで...」なんて言い訳をする必要もない。「これ、すごくいいですよ」と自信を持って勧められる。
施術が終わったあと、お客様が鏡を見て笑顔になる。「ありがとう、また来ます」と言われて、次の予約を入れてもらえる。
その売上は、歩合で引かれることなく、定額の賃料を超えた分がすべてあなたの手元に残る。
こんな時間が、THE SALONSという仕組みなら手に入ります。
独立は、大好きな美容師を続けるための手段
独立って、ゴールじゃないですよね。
本当のゴールは、「美容師という仕事を、自分らしく、長く続けること」じゃないでしょうか。
雇われの状態だと、どうしても制約がある。営業時間、使える薬剤、接客の方針...全部、店のルールに従わないといけない。
「もっとこうしたいのに」という気持ちを飲み込みながら働くのは、正直しんどいですよね。
でも、いきなり路面店を出すのは怖い。数百万円の初期費用、毎月の固定費、失敗したときのリスク...考えると足がすくむ。
THE SALONSは、その中間にある選択肢です。
初期費用を抑えながらも、完全個室で自分だけの世界を作れる。保健所登録もできるから、法的にも「自分のサロン」として認められる。でも、路面店のような重すぎる責任は背負わなくていい。
最後に
もし今、「独立したいけど、どうすればいいか分からない」と悩んでいるなら。
まずは情報を集めることから始めてみませんか。THE SALONSのような新しい仕組みを知ること、実際に内覧に行ってみること、そういう小さな一歩が、未来を変えていきます。
閉店後のセット面を拭きながら、「いつか」と思っていた夢。それを「今」に変える準備を、少しずつ始めてみてください。
あなたが大好きな美容師という仕事を、もっと自由に、もっと楽しく続けられる場所が、きっと見つかるはずです。
























