路面店出店の“光”と“影”——美容師が知らない業界の罠と、自分を守る力について Vol.3
Salons Blog
こんにちは。
THE SALONS Japan 代表の清水です。
私は長年間、現役美容師として現場に立ちながら、多くの独立・開業の現場を見てきました。
その中で、どうしても伝えておきたいテーマがあります。
「路面店の独立には、想像以上に“落とし穴”が多い」という現実です。
美容師という仕事は、誠実に技術に人生を懸ける。
その“真面目さ”が、時に周辺企業から軽視され、狙われやすくなることがあります。
今日は、路面店出店の裏側で起こりがちな「罠」と、
どうすれば美容師が自分を守れるかについて書いていきます。
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1.坪単価の“安さ”には必ず理由がある
仲介不動産会社からよく聞く言葉があります。
- 「この賃料は破格です」
- 「この立地でこの金額は滅多に出ません」
しかし、路面店に関しては、“安さはリスクの裏返し”であることが多い。
たとえば…
- 下水道の配管が細い
- ガス容量が足りない
- 勾配が取れず、排水工事に大幅な追加費用がかかる
- 建物自体が“上物だけの権利”で、土地は借地のため補修責任が曖昧
こうした物件は、契約後に想定外の工事費用が一気にのしかかってきます。
初期見積から+300万〜1000万なんていうのは、珍しい話ではありません。
路面店は、安いから良いのではなく、安いほど必ず“理由”がある。
そこを見抜けるかどうかが、独立後の命運を分けます。
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2.“契約期間”に潜む闇。2〜3年定借は要注意
路面店では、都心部を中心に
2〜3年の短期定借(定期借家契約)が増えています。
しかしこれには、以下の背景が隠れていることが多い。
- 建物が近い将来、売却予定
- 建替え・解体の検討が進んでいる
- オーナー側が長期運用の意思を持っていない
つまり、“美容師の入居で一旦埋めておこう”という発想で募集されているケースもある。
そして仲介業者は、この点をはっきり言わないことが多い。
更新できるかと聞いても、
- 「おそらく大丈夫です」
- 「今のところ予定は聞いてませんね」
――この程度の曖昧さ。
でも、曖昧な返答の裏には、“確実ではないから言えない”という現実があります。
もしあなたが路面店を選ぶなら、“まず仲介業者そのものを選ぶ”ことが大前提になります。
■ 仲介不動産会社の前提
路面店を出すなら…
- 知人や信用できる紹介から依頼すること
- その会社が過去の契約でどう動いたか、直接聞ける人がいること
これが理想です。
大手であれば最低限のリスク回避はできます。
しかし、魅力的な未公開物件や競争率の高い物件は、新規客にはなかなか紹介されません。
- 「誰から紹介されたか」
- 「その会社とどれくらい信頼関係があるか」
これは、路面店独立においてかなり重要な要素になります。
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3.ビルスペックを侮ると、開業後に“地獄を見る”
美容師が独立で最も見落としがちなのが建物スペックです。
- 給排水の位置
- 勾配の取り方
- ガス容量
- 下水管の太さ
- 換気の能力
- 上物のみの所有権構造
こうした項目は、内装工事と直結しています。
そして、ちょっと問題があると費用が跳ね上がる。
美容師は「やるしかない」という気持ちで突き進むため、あとから予算追加が出ても引き返せなくなってしまう。
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4.内装業者の“落とし穴”。決まった瞬間に値段が上がる理由
内装工事は、もっともトラブルが多い領域です。
よくあるパターンは…
1.相見積り用に“安い数字”を提示する
2.契約が決まった瞬間に
• 「下地が危険です」
• 「耐震補強が必要です」
• 「水漏れの可能性があります」
• 「シャンプー台下は防水工事が必要」
と追加費用が出る
3.調べると実は
• 軽鉄の本数が足りない
• ボードが薄い
• 下地処理がされていない
• “防水工事”がシート1枚だけ
結果、最初の見積と最終金額が大きく乖離することが多い。
■ 内装業者の前提
路面店の施工で安全なのは…
- 知人・ディーラー・紹介による業者
- 施工実績が身近で確認できる会社
- アフターフォローと請負契約がしっかりしている会社
大手内装会社は安心ですが、下請けを複数挟むことが多く、その分見積りが高額になりがちです。
ただし、“予算内で安心を買いたい”なら大手は選択肢として大いにアリ。
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5.THE SALONSは、独立美容師を“放流しない”。卒業後の路面店出店も全力で支える
そして最後にお伝えしたいのは、THE SALONSの考え方です。
私たちは区画店舗を貸して終わりではありません。
ここから路面店に羽ばたく“卒業美容師”を守る。
サロンズで独立した美容師が路面店を出す際には、
- 信頼できる内装業者の紹介
- 美容業界に強い会計士・税理士
- 契約・法務に強い弁護士
- 商標などを扱う弁理士
など、必要な専門家を“すべて”推薦できます。
「独立の先の“独立”」までサポートできる仕組みがあるのは、サロンズの大きな価値だと私は思っています。
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6.この業界は優しくない。だから“あなた自身の武器”が必要になる
路面店出店は素晴らしい挑戦です。
しかし、周辺の企業はあなたを守ってはくれません。
美容師に今必要なのは、 “情報と知識”です。
無知は、最大のリスクです。
知れば、避けられる罠がたくさんある。
選ぶべき道は、自分で決められるようになる。
美容師という職業は、技術も感性もすべてあなた自身。
だからこそ、外部要因で夢が折れるところを、もう見たくない。
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7.あなたの未来は、あなたの“選択”で守れる
路面店に挑むのか、美容モールで事業者として立つのか。
どちらも正しい。
しかし、どちらも“知っている人間だけが”成功に近づきます。
私は、「知らなかった」ことで苦しむ美容師を減らしたい…
その一心でこのブログを書きました。
美容師の未来を守るのは、誰でもない。
あなた自身の選択です。
そしてその選択を支えるために、THE SALONSは存在しています。
The Salons Japan株式会社
代表取締役/現役美容師/宅地建物取引士
清水 秀仁
























